Linux 基礎コマンド

作成: 2026.03.24更新: 2026.03.24

Linux 基礎コマンドとは

Linux は、サーバー用途で広く使われるオープンソースの OS である。SIer の業務システムでは、Web サーバー・AP サーバー・DB サーバーなどの多くが Linux 上で稼働しており、開発者がサーバーにログインしてコマンド操作を行う場面は日常的に発生する。ここでは、SIer の現場で最低限知っておくべき Linux の基本コマンドを整理する。

なぜ SIer で重要か

SIer のシステム開発では、開発環境・検証環境・本番環境のサーバーがほぼすべて Linux で構築されている。RHEL(Red Hat Enterprise Linux)、CentOS、Amazon Linux、Ubuntu など、ディストリビューションは案件によって異なるが、基本的なコマンド操作は共通である。

ログの確認、設定ファイルの編集、アプリケーションのデプロイ、障害時の調査など、あらゆる場面で Linux コマンドの知識が求められる。GUI は基本的に用意されておらず、すべての操作をコマンドライン(ターミナル)で行うため、基本コマンドの習得は必須である。

基本概念

ファイル操作コマンド

Linux でのファイル・ディレクトリ操作に使う基本コマンドを以下に示す。

コマンド説明使用例
lsファイル・ディレクトリの一覧表示ls -la /var/log
cdディレクトリの移動cd /opt/app
pwd現在のディレクトリを表示pwd
cpファイル・ディレクトリのコピーcp -r src/ dest/
mvファイルの移動・リネームmv old.txt new.txt
rmファイル・ディレクトリの削除rm -rf /tmp/work/
mkdirディレクトリの作成mkdir -p /opt/app/logs

rm -rf は指定したパスを確認なしで再帰的に削除する非常に危険なコマンドである。本番環境では実行前に必ずパスを確認すること。

テキスト閲覧・検索コマンド

ログファイルや設定ファイルの内容を確認するためのコマンドである。

コマンド説明使用例
catファイルの内容を全文表示cat /etc/hostname
lessファイルの内容をページ単位で表示less /var/log/app.log
headファイルの先頭部分を表示head -n 20 app.log
tailファイルの末尾部分を表示tail -n 50 app.log
grepテキスト内のパターン検索grep "ERROR" app.log
findファイル・ディレクトリの検索find /opt -name "*.log"

特に tail -f はファイルの末尾をリアルタイムに追跡するオプションであり、ログの監視で非常によく使われる。

権限管理コマンド

Linux ではファイルやディレクトリにアクセス権限(パーミッション)が設定されている。

コマンド説明使用例
chmodパーミッションの変更chmod 755 deploy.sh
chown所有者・グループの変更chown appuser:appgrp config.xml
パーミッションの読み方(ls -l の出力):
-rwxr-xr-x  1 appuser appgrp  1024 Mar 24 10:00 deploy.sh
│├─┤├─┤├─┤
│ │   │   └─ その他ユーザーの権限(r:読取 x:実行)
│ │   └───── グループの権限(r:読取 x:実行)
│ └───────── 所有者の権限(r:読取 w:書込 x:実行)
└─────────── ファイル種別(- :通常ファイル d:ディレクトリ)

vi/vim の最低限の操作

Linux サーバー上でファイルを編集する際は、vi(または vim)エディタを使用することが多い。最低限以下の操作を覚えておけば、設定ファイルの簡単な修正は可能である。

vi の基本操作:
1. vi ファイル名      ← ファイルを開く
2. i キーを押す       ← 挿入モード(編集可能な状態)
3. 内容を編集する
4. ESC キーを押す     ← コマンドモードに戻る
5. :wq と入力して Enter ← 保存して終了
   :q! と入力して Enter ← 保存せずに終了(変更を破棄)

SIer での使われ方

ログ確認

障害発生時やテスト時に、サーバー上のログファイルを確認する場面は非常に多い。

# アプリケーションログをリアルタイムに監視
tail -f /var/log/app/application.log

# エラーログだけを抽出
grep "ERROR" /var/log/app/application.log

# 特定の日時のエラーを検索
grep "2026-03-24.*ERROR" /var/log/app/application.log

# 直近 1000 行からエラーを検索
tail -n 1000 /var/log/app/application.log | grep "ERROR"

デプロイ作業

ビルドした WAR ファイルや設定ファイルをサーバーに配置する際にも Linux コマンドを使用する。

# デプロイ前にバックアップを取得
cp -r /opt/tomcat/webapps/app.war /opt/backup/app.war.20260324

# 新しいモジュールを配置
cp /tmp/release/app.war /opt/tomcat/webapps/

# AP サーバーの再起動
systemctl restart tomcat

プロセスの確認

サーバー上で動作しているプロセスの確認も頻繁に行う。

# Java プロセスの確認
ps aux | grep java

# ポートの使用状況を確認
ss -tlnp | grep 8080

まとめ

  • SIer の業務システムのサーバーは Linux が主流であり、コマンド操作は必須スキルである
  • ファイル操作(ls, cp, mv, rm)、テキスト検索(grep, find)、権限管理(chmod, chown)が基本カテゴリである
  • tail -f によるログのリアルタイム監視と grep によるエラー検索は最も使用頻度が高い
  • vi/vim の基本操作(i で編集、ESC → :wq で保存終了)は最低限覚えておくべきである
  • 本番環境での操作は慎重に行うこと。特に rm -rf は取り返しがつかないため、実行前の確認を徹底する